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芦毛の名馬13選!芦毛と白毛の違いとは?夏は芦毛が強いって本当?

サラブレッドの毛色のなかでも、人気があるのが、白くて可愛い芦毛馬。
この記事では、芦毛馬とは何か、芦毛と白毛の違い、芦毛の歴代名馬、そして芦毛にまつわる馬券格言の検証など、芦毛にまつわることを全て紹介します!
これを読めば、今日からあなたも芦毛マスター!?

芦毛とは?

サラブレッドの毛色は、正式は下記の8種類があります。

毛色の種類一覧
  • 鹿毛
  • 栗毛
  • 黒鹿毛
  • 青鹿毛
  • 芦毛
  • 青毛
  • 栃栗毛
  • 白毛

この中でも、グレーや白っぽい毛色のことを、芦毛と言います。
芦毛は、両親のどちらかが芦毛でないと生まれてきませんが、必ず生まれるものでもありません。
毎年7000頭近く生産されるサラブレッドのなかで、芦毛はだいたい5~7%ほどと言われています。
参考までに、2020年の2歳世代、全7253頭の毛色別の頭数をまとめておきます。

毛色2020年の2歳世代の頭数割合(%)
鹿毛3165頭43.6%
栗毛1623頭22.3%
黒鹿毛1345頭18.5%
青鹿毛547頭7.5%
芦毛456頭6.2%
青毛103頭1.4%
栃栗毛11頭0.1%
白毛3頭0.1%

 

芦毛と白毛の違い

芦毛のカレンチャン

芦毛は、生まれたときは、黒っぽい色をしており、年を取るごとに白くなっていきます。
そのため、生まれてすぐに、芦毛とわからないこともあります。

白毛は、皮膚が白、またはピンク色に近く、生まれたときから真っ白なのが特徴です。

白毛のユキチャン

白毛は突然変異から誕生した毛色で、1979年にハクタイユーが初の白毛として認定されました。
そして1996年に突然変異で誕生したシラユキヒメが、その遺伝子を繋いでいます。
JRAでの芦毛の勝利は、そのシラユキヒメの子供、ホワイトベッセルが2007年に挙げたものが最初です。
そのホワイトベッセルの妹にあたるユキチャンが2008年の完投オークスで、白毛馬として、初めて重賞制覇を達成しました。

芦毛は年を取るごとに白くなる?

芦毛は、年を取るごとに白くなっていくことで知られています。
それは芦毛が持つ遺伝子が関係しており、生成される色素の問題とされています。
そのため、現役を引退したような芦毛馬は、真っ白となり、見た目的には白毛にかなり近いものになります。


引用元:JRAレーシングビュアー さようなら 永遠のアイドルホース オグリキャップ

現役時(5歳)のオグリキャップ
23歳時に東京競馬場に登場したオグリキャップ

芦毛の名馬13選

芦毛で活躍した名馬たちを一挙に公開していきます!

オグリキャップ

「芦毛の怪物」というキャッチフレーズで、1988~1990年に社会現象にまでなった競馬ブームを起こした名馬です。
『芦毛と言えば?』という質問を競馬ファンにしたら、おそらく一番名前が挙がるのが、オグリキャップでしょう。

GⅠ勝利は、有馬記念2勝、安田記念、マイルCSと、計4勝のみですが、実績だけでなく、ファンに衝撃と感動を与えた馬として、今なお語り継がれています。
地方競馬の笠松でデビューをし、連戦連勝で、中央競馬に移籍。
その後も、地方育ちの雑草魂で、中央競馬のエリートたちをなぎ倒していく姿に、ファンは心惹かれていきました。
そんなオグリも、5歳となった晩年は低迷し、天皇賞(秋)で6着、ジャパンカップでは11着と大敗し、「オグリは終わった」とささやかれました。
『もう引退させてあげてほしい』という声が、オグリファンからはあがり、馬主宅には「引退をさせなければ爆弾を仕掛ける」といった内容の脅迫状すら届けられたそうです。
引退レースに選ばれた有馬記念では、ファン投票こそ堂々の1位に輝きましたが、単勝オッズは4番人気でした。
しかし、オグリキャップの勇姿を見届けようと、中山競馬場の入場者記録となる17万7779人ものファンが集いました。
中山競馬場の入場者記録は、2020年現在も、破られていません。
誰もが『無事に回ってくればいい』という思いで、レースを見届けましたが、オグリは奇跡を起こしました。

1990 有馬記念

最後の直線、堂々と先頭に立ち、大歓声を背中に受け、そのまま1着でゴールイン。

当時フジテレビの実況アナウンサーも、『オグリ1着!オグリ1着!右手を挙げた武豊!オグリ1着!見事に引退レース、引退の花道を飾りました!スーパーホースです!オグリキャップです!』と大絶叫。

ウイニングランでは、17万人の大観衆による「オグリコール」が起き、競馬場がひとつになりました。
馬券の的中に関わらず、場内がひとつになった瞬間。
競馬が単なるギャンブルを離れ、ひとつのドラマになった瞬間として、後世に語り継がれている名レースとなっています。

馬産地、北海道には、オグリキャップの銅像も建てられており、今でも命日には多くのファンが花を添えに来ます。

余談ですが、当時、オグリキャップの馬主だった佐橋氏が経営する会社で、オグリキャップのぬいぐるみも製造されました。
それが爆発的な人気を誇り、最終的には1100万個も出荷されるビッグヒットになり、女性ファンがぬいぐるみを持って、競馬場で応援する姿は珍しくなかったそうです。

オグリローマン


オグリキャップの妹で、桜花賞を制す活躍をしました。

1994 桜花賞

生産した稲葉牧場の稲葉裕治さんは、先代である父親から農業と馬産を営む牧場を継いでいましたが、馬産一本に絞り、最初に誕生したのがオグリキャップでした。
しかしオグリキャップの活躍がありながらも、周囲からは『オグリキャップはフロック(偶然)だ』と言われ、『なんとか周りを見返したい!』という思いで生産されたのが、このオグリローマンになります。
またオグリキャップを所有していた小栗孝一オーナーも、オグリキャップの時には中央競馬の馬主権がなかったため、『次は一緒にGⅠを取りたい!』という背景もあったため、桜花賞制覇は二人にとって格別なものだったに違いありません。

引退後も、牧場ではファンの姿を見かけると、歩み寄ってくる賢い馬でした。
2015年、24歳の生涯をまっとうし、天国へ旅立ちました。
そしてその半年後に、稲葉裕治さんも病気のため、ローマンを追いかけるように旅立ちました。

タマモクロス

オグリキャップのライバルであり、同じ芦毛でもあり、「白い稲妻」というキャッチフレーズで、当時の競馬ブームを盛り上げた一頭です。
みどりのマキバオーのモデルにもなっているそうです。
GⅠ勝利は、天皇賞(春)、宝塚記念、天皇賞(秋)の3勝。
天皇賞(秋)では、1つ下のライバル、オグリキャップを封じ込め1着。

1988 天皇賞(秋)

ジャパンカップでも、アメリカのペイザバトラーにこそ屈したものの、2着(オグリキャップ3着)と好走しました。
しかし引退レースとなった有馬記念では、オグリキャップに敗れ2着に敗退。
芦毛の印籠をオグリキャップに引き渡す形で、引退しました。

ホーリックス

ニュージーランドの芦毛の牝馬。
こちらもオグリキャップのライバルホースとして、その名は今なお語り継がれています。
1989年のジャパンカップでは、オグリキャップとの壮絶な叩き合いの末、当時の世界レコードとなる2分22秒2というタイムで優勝しました。
騎乗していたオサリバン騎手の「風車ムチ」も一躍有名になりました。

1989 ジャパンカップ

ウィナーズサークル

2020年現在、芦毛として唯一の日本ダービー優勝馬です。
また、茨城県産馬としても唯一のダービー馬でもあります。
他の芦毛馬によるダービー挑戦としては、

  • ビワハヤヒデ2着
  • マヤノペトリュース3着
  • ホワイトストーン3着
  • マイネルフロスト3着

などの好走もありますが、ゴールドシップ、アプレザンレーヴ、クロフネ、セイウンスカイ、トキオエクセレント、ビワハヤヒデ、ハクタイセイなどが人気に推されるも敗れています。

1989 日本ダービー

メジロマックイーン

「芦毛の最強ステイヤー」とも言われた馬で、GⅠは5勝。
3000m超えのレースでは、1着5回、2着2回と、完璧な成績を残しました。
3200mのGⅠ天皇賞(春)では、2連覇を達成したほか、父メジロティターン、祖父メジロアサマに次ぐ、父子3代天皇賞制覇という偉業も達成しました。
父、祖父もともに芦毛で、毛色とスタミナを存分に引き継いでいました。
4代制覇を懸け、メジロマックイーン産駒の芦毛馬ホクトスルタンも天皇賞(春)に2度挑みましたが、4着、15着と、惜しくも敗れてしまい、その夢は潰えてしまいました。

1991 天皇賞(春)

ビワハヤヒデ

弟には3冠馬のナリタブライアン。
非常に堅実な馬で、引退レースとなる天皇賞(秋)までは、15戦して、全て2着以内という成績を残しました。
3歳時には、皐月賞2着、日本ダービー2着と悔しい思いをしましたが、最後の1冠となる菊花賞では見事優勝!

1993 菊花賞

4歳になってからも天皇賞(春)、宝塚記念を制す活躍をしました。
弟のナリタブライアンとの兄弟対決も楽しみにされていましたが、天皇賞(秋)では、5着と敗れ、屈腱炎の症状も発覚し、そのまま引退しました。
その翌週にナリタブライアンは無事に3冠馬となりましたが、最後の直線では、前週のビワハヤヒデの故障もあったため、実況の杉本清アナウンサーは『弟は大丈夫だ!』と連呼しました。

セイウンスカイ

同期にはスペシャルウィーク、グラスワンダー、エルコンドルパサー、キングヘイローといった超スーパーホースたちがいましたが、皐月賞、菊花賞を制す活躍をしました。
菊花賞は当時の世界レコードで逃げ切りました!(06年にソングオブウィンドが更新)

1998 菊花賞

現在も、「ニシノ」や「セイウン」の冠名で知られる西山茂行オーナーにとっても、存在の大きかった馬で、2011年にセイウンスカイが亡くなった時には、以下のようなブログを残しています。

「セイウンスカイはただ放牧して
のんびりするだけの毎日でしたが
わしの、いや、
西山牧場従業員の心の柱になっていました。
「うちから皐月賞、菊花賞を勝つ馬をつくれたんだから、またできるはず」
「ここにいるのがその本馬だから」
そんな感じで、
西山牧場にいるだけで
みんなの心の支えでした。

いろいろ考えさせられますね。
1つだけはっきりしていることは
セイウンスカイがいたから、
馬主・西山茂行がいる。

私財を投げてでも牧場経営に心血注いだ
父の西山正行を
最後の最後のご褒美のように皐月賞の表彰台にあげてくれた
この芦毛の名馬を
涙で送ります。
ありがとう。」

引用元:http://ameblo.jp/nybokujo/theme2-10024863045.html#main

クロフネ

名前はクロフネですが、立派な芦毛馬。
由来としては、2001年から、外国産馬もクラシックレースに出走できるようになったため、ペリーが浦賀に「黒船」で襲来したように、『外国産馬として、ダービーを制してほしい』という思いから、クロフネと命名されたそうです。
芝GⅠのNHKマイルカップを制しましたが、名レースとして語り継がれているのがジャパンカップダート(現チャンピオンズカップ)での圧勝劇です。
前年の覇者ウイングアローを7馬身ぶっちぎり、レコードタイムを1秒以上更新する圧勝で、ファンの度肝を抜きました。

2001 ジャパンカップダート

引退後は種牡馬としても活躍し、

  • アエロリット
  • アップトゥデイト
  • ホエールキャプチャ
  • カレンチャン
  • フサイチリシャール

など、クロフネの芦毛を引き継ぐ名馬が多く誕生しています。

ヒシミラクル

GⅠ3勝を挙げていますが、名前が示す通りなのか、勝利時の単勝人気は、10番人気、7番人気、6番人気と、全て人気薄でのものでした。
初GⅠ制覇となった菊花賞では、1番人気に推されていたノーリーズンが、スタート直後に落馬。

2002 菊花賞

また宝塚記念では、ヒシミラクルの単勝に約1200万円つぎ込んだ、通称”ミラクルおじさん”が、見事に2億円近い払い戻しを受けたことも、ヒシミラクルにまつわる事件として有名です。

ゴールドシップ

G Ⅰ6勝を挙げ、芦毛として最多記録を作りました。
母の父は、上記でも紹介したメジロマックイーンです。
激しい気性の持ち主で、気分によって勝ったり大敗をしたり、大出遅れをしたりと、ファンは惑わされましたが、その人間にも似た個性から、多くのファンから愛されました。
ゴールドシップらしさが感じられたのが2015年の宝塚記念。
1.9倍という圧倒的な人気に支持されるも、ゲート内で大暴れをし、出遅れて15着と大敗してしまいました。

2015 宝塚記念
引退後のゴールドシップ

現在は種牡馬として活躍し、産駒デビューの初年となった2019年には、札幌2歳Sで、産駒のブラックホールとサトノゴールドが1.2着を独占しました。
またウインマイティーがオークスで3着と好走し、GⅠでも結果を出しています。

エイシンヒカリ

おそらく、最も芦毛だと思われない芦毛馬が、このエイシンヒカリです。
見た目は完全に黒に近く、芦毛の不思議性を感じさせる馬でした。
国内GⅠ勝利こそないものの、香港では香港カップ、フランスではイスパーン賞を勝ち、GⅠ2勝を挙げ、現役を引退しました。
2014年のアイルランドトロフィーは、逃げ切り勝ちこそしたものの、最後の直線では、最内から大外までヨレていくというレースぶりで、珍レースとしてファンの心に刻まれています。
ぜひネット検索してみてください!

クロノジェネシス

2020年現在も現役の芦毛馬。
母の父は芦毛のクロフネ。
GⅠ勝利は、秋華賞、宝塚記念ですが、今後もさらなる活躍が期待されています。

2020 宝塚記念

芦毛にまつわる馬券格言を検証して見た!

ここでは、芦毛に関してファンの間で噂されている議論を検証していきます!

「芦毛は走らない」

かつて「芦毛は走らない」という迷信が存在しました。
軍馬時代からも、芦毛は白くて目立ってしまい、敵から発見されやすいので、好まれない傾向にあったそうです。
そこで、今回はデータ集計できる、1986年以降、芦毛が出走していた約10万レースを調べてみました。
確かに昔は、芦毛の成績は振るっていなかったようで、1992年以前は、芦毛の複勝回収率は64%しかありませんでした。
しかしその後は平均的に高い数値を記録しており、1993~2020年の平均複勝回収率は71%となっています。
このことからも、「近年は芦毛だから能力的に劣っている」、といったことはないようです。

「夏は芦毛が強い」

日差しが強い夏は、他の馬より光と熱の吸収が少ない白色の芦毛馬は、他の毛色より有利ではないか、という説が存在します。
そこで、過去の7~8月のレース、過去27万頭の毛色別データを調べてみると、複勝回収率は、以下のようになりました。

毛色毛色ごとの複勝率
栗毛74%
青鹿毛74%
青毛73%
栃栗毛72%
黒鹿毛72%
鹿毛72%
芦毛70%
白毛60%

結果としては、特別、夏に芦毛が有利ということはありません。
芦毛の特徴として、年を取るほど白くなるので、高齢になるほど、夏に強いのでは?という考えもできますが、年齢ごとのデータも以下のようになります。

年齢芦毛の年齢ごとの複勝率
2歳72%
3歳73%
4歳70%
5歳65%
6歳59%
7歳以上60%

年齢を重ねるごとに、むしろ成績は下がっており、人間が想像するほどは、白い馬体の芦毛は、炎天下の中でもアドバンテージは全くない、と判断できる結果になっています。

芦毛と白毛だけのレース「ホワイトクリスマス賞」にも注目!

川崎競馬場には、白毛&芦毛馬しか出走できない「ホワイトクリスマス賞」というレースが存在します。
毎年クリスマスの時期に開催されているので、芦毛好きの方は、ぜひ現地でご観戦ください。

余談ですが、ゴールデンホース賞という、栗毛、栃栗毛馬限定のレースも川崎競馬では開催されています。

まとめ

芦毛特集、いかがだったでしょうか。
馬券的な視点でいえば、毛色はさして重要なものではありませんが、ルックス的な愛嬌、そして代々受け継がれていく芦毛の遺伝子などを感じて競馬をみると、より一層面白くなるでしょう。
芦毛の馬を見かけたら、ぜひ父や母の名前を見てみてください。
上記で紹介した芦毛の名馬たちの名を見ることがきでるはずです。

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うまペディア編集部
うまペディア編集部
競馬総合情報サイト「うまペディア」編集部です。競馬のイロハや、馬券予想についての疑問、競馬初心者に向けたHOWTO記事などを多数掲載していきます!サイトに載せさせていただける大学競馬サークル随時募集中!気軽にご連絡ください♪
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